知財ブログ

知的財産権法に関するトピックについては、
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税関による差し止め

欧州連合での差し止め手続き

税関当局による物品差し止め手続きは、基本的にEUに輸入または輸出された物品に限定されます。 知的財産権の権利者が、自己の権利を侵害する物品がEU域内に輸入されているという合理的な疑いを有する場合、税関に差し止め請求をすることができます。この際、オリジナル品と模倣品との違いを説明できるとよいでしょう。

税関で偶然に模倣品が発見された場合、税関は権利者に通知し、権利者は10日以内に差し止め請求をしなければなりません(請求は遡及的に有効)。

差し止め物品の処分方法

財産権侵害が証明された場合、差し止め物品処分方法に関しては権利者にも決定権があります。サプライヤーおよびディーラーは、商品破棄に対して異議申立をする権利を有します。

異議申し立て期間内にこれが行われなかった場合、模倣品の破棄に同意したものと解釈されます。多くの場合、物品は権利者と物品所有者の合意の上破棄されます。 2020年、税関当局による差し止め物品の83%がこのような形で破棄されました。 (出典:出典)

権利者が税関からの通知に応じなかった場合、または差し止め物品がオリジナルの商品であることが証明された場合は、当該物品の輸出入が再度許可されます(このようなケースは2020年に約10%)。

3番目に多いケースは、司法手続きまたは刑事手続きが開始されることです(このようなケースは2020年に7%)。また、権利者と物品所有者との間で和解に達することもあります。

差し止め請求費用

税関では、知的財産権を侵害している疑いのある物品の差し止め請求の費用はかかりません。

権利者は財産権侵害の証拠を提供する義務を有します。 税関は、権利者が自己の財産権が侵害されていることを証明するまで、模倣品と思われる物品を差し止めし、流通を停止する義務を負います。

権利者は差し止め物品の保管および破棄の費用を立て替えなければなりませんが、損害賠償請求を侵害者に行うことで後にこれを回収することができます。

しかし、物品が最終的に模倣品ではないと判明した場合、権利者は税関で物品保管にかかった費用の支払い等責任義務を負います

模倣品による知的財産権の侵害防止に関する弁理士からのアドバイス

当所は、製造者が製品の知的財産権の侵害に対して効果的な対策を取れるようサポートし、オリジナル製品を保護する方法等について戦略的なアドバイスをしています。

模倣品による知的財産権侵害を防ぐために、製品の保護対象範囲の決定、特許、商標、またはデザインの保護を取得するためには、どのよな調整が必要か等、クライアントの皆さんのご相談に応じています。

知的財産権侵害に対する防御に関して、特に見本市での仮差止命令(ブログをご参照ください:「「見本市での模倣品 -特許および実用新案権侵害-」)、国境での差押手続請求、情報開示請求、損害賠償請求、破棄請求等に関して経験豊富な弁理士がアドバイスをいたします。

執筆者 | 16. 12. 2021

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